大判例

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名古屋高等裁判所 平成9年(う)371号 判決

被告人両名は,強盗を共謀の上,被告人A,被告人Bの順に原判示「サークルケイ甲野店」店舗内に入り,店舗奥にいた店員に対し,暴行や脅迫を用いることなく,まず,被告人Aが現金在中の入口のレジスターを店外に持ち出し,その直後,店舗の奥で怯えて立ちすくんでいる店員の姿と店の奥のカウンター上にもう1台奥のレジスターがあるのを認めた被告人Bが,奥のレジスター内から金員を奪い取ろうと考え,同店員を脅迫し,その反抗を抑圧して金員を強取しようとしたが,その目的を遂げなかった,という事例において,被告人Aが入口のレジスターを持ち出した点は,被告人らが事前に強盗を共謀していたとしても,犯行に際しては,現実に暴行や脅迫を用いることなく入口のレジスターを奪取しているのであるから強盗罪は未だその着手があったとはいえず,窃盗既遂罪を構成するのみであり,また,被告人Bが専ら奥のレジスターから金員を奪取する目的で店員を脅迫して反抗を抑圧して金員を強取しようとしたが,その目的を遂げなかった点は,強盗未遂罪を構成する。そして,このような場合には,入口のレジスター及び在中現金に対する窃盗既遂罪と奥のレジスターに対する強盗未遂罪とを包括的に観察し,重い強盗未遂罪で処断すべきであるところ,原判決が入口のレジスターと在中の現金の強盗既遂罪として処断したのは,事実を誤認し,その結果法令の適用を誤った違法といわざるを得ない。

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